避けて通れないコロナ後の金融緩和の正常化 焦点は欧州へ
欧州の天然ガス価格再急騰
北半球の本格的な冬の到来が迫るなか、欧州での天然ガスの価格が今月に入り(11月末比)70%近くの上昇をみせ、10月上旬の高値の1.5倍まで急騰してきました。
英国ではこうしたエネルギー価格の上昇から、広く公共料金の値上げが確実視されるなか、年末に向け、再び物価動向や各国の金融政策の行方に焦点が絞り込まれてきました。
英欧での正常化観測強まる
ECB(欧州中央銀)の政策メンバーであるオーストリア中銀のホルツマン総裁がオンライン会見のなかで「22年のテーパリング終了前の利上げも可能だ」としています。
あくまで極端な例ですが、FRBパウエル議長は「インフレは一時的」というレトリックを最終的に11/30の議会証言で撤回することを余儀なくされました。
ECBラガルド総裁も「22年中の利上げを完全否定」していますが、22年もこうした番狂わせは必ず起こるわけで、市場はすでにその辺まで見通し始めているのでしょう。
BOE(イングランド銀行)は今月利上げを決定していますが、来年2/3の利上げの可能性が再度高まるなか、資産圧縮(注)の同時進行の可能性が急浮上してきました。
(注)資産圧縮は量的緩和の出口であれば、最終局面。順序ではテーパリング(資産買入れ縮小)⇒バランスシート縮小(資産圧縮)。利上げと同時進行なら2重の引き締め効果。
すでに、BOEは政策金利が0.5%(2/3に0.25%利上げでこの水準)に達した時点での資産圧縮を示唆しており、この可能性が高まってきました。
ブルームバーグの報道では、3月に償還をむかえる280億ポンドの国債の再投資(既発の英国債を購入する)を見送った場合、この分の資産圧縮が進むわけです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-12-22/R4HWWNDWRGG101
需給緩和から英国債を中心に欧州債にも売り圧力がかかり、ユーロ圏の金利が上昇、GBPUSDが昨日高値1.3362、EURUSDも1.1342まで上昇しています。
英国や欧州でのテーパリングや利上げの織り込みはあまり進んでいませんので、金融緩和からの出口という点で新鮮味がある、そうしたロジックからです。
私の有料メルマガ「Smart LogicFX」の内容を一部抜粋してお届けしています。
詳しいポジションはSmart LogicFXにて配信しています。
日経225オプションエキスパート塾
5期生募集中
2022年1月より、オプションエキスパート塾5期が開講します。
https://www.xfine.info/sl2021op5/t.html
オプション取引って何?という方は、こちらの動画をご覧ください。