FOMCは市場予想通り ドル買いは続くか?

FOMCの結果
FOMCは市場予想通り、量的緩和の縮小であるテーパリングの加速と3月の終了を決定しています。
声明文からは物価の上昇が「一時的」との“transitory”とういう文言が消え、ドットチャートも上方修正となっています。
中央値でみると、
2022年、0.375%⇒0.875%
2023年、1.125%⇒1.625%
2024年、1.875%⇒2.125%
長期、2.500%⇒2.500%
FOMCメンバーの中央値だけでみれば、2022年だけで3回、2023年で同3回、2024年で同2回の利上げを想定していることになります。
金利先物市場では、2022年、2023年は、ほぼこの見通しに近い織り込み。
ただ2024年は6.41回と7回を織り込んだ11月下旬に到達していません。
10年債金利が依然1.4%台で推移していることもあり、長期での景気減速や不確実性を織り込んでいます。この辺が2024年にFOMCメンバーの予想通りの利上げを織り込めていない背景があります。
年末、来年に向けて ドル買いは続くか?
ここから素直にドル買いか?それも長く続くか?
過去の利上げ局面を見てみましょう。
1990年代の利上げ局面
1994年2月~1995年2月
ドル円(黒、左軸)、政策金利(赤、右軸)です。
政策金利を3%から6%に引き上げる利上げを行いました。
その間、ドル円は下落しています。

1999年6月~2000年5月
政策金利を4.75%から6.5%まで引き上げました。
その間、やはりドル円は売られています。

2000年代の利上げ局面
2004年6月~2006年6月
この時の利上げ幅は大きく、1.0%から5.25%まで、425bp利上げをしました。
4%近い利上げを行ったわけですが、ドル円の上昇は5円程度しかなく、利上げの初期には下落に転じていました。

2015年12月~2018年12月
0.25%から2.5%まで、225bpの利上げを行いました。
その間のドル円は約10円下がっています。

4回のケースで見ると、1回はドル円が5円程度上がりましたが、それ以外の3回は下落に転じています。
なぜこのようなことが起こるのか?
それは事前に利上げの織り込みが完了していて、実際に利上げが行われる引き締め局面が始まると、ドル買いに繋がりにくいという現状があります。
利上げ発表後にドル/円急落の事例
2017年3月16日、0.25%、25bpの利上げを発表を行った直後に、ドル/円は急落しています。
これは100%利上げの織り込みが完了していたからです。

利下げ発表後にNZドル/米ドル暴騰の事例
一方でこうした事例もあります。
2016年8月11日、RBNZ(NZ準備銀行)が0.25%の利下げを行いました。
この直後、NZドル/米ドルは150ポイント暴騰しました。
これも同じく利下げを完全に織り込んでいたからです。

通貨が動くのは、利上げを織り込む時、利下げを織り込む時、このふたつです。
米国の利上げが、ドル買いに繋がるほど単純ではありません。
要は利上げの織り込み、または減衰次第で、日々の金利市場の変動から微調整するしかないのです。結論としてドル高の賞味期限は短いといえます。
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