米CPIは31年ぶりの高水準を記録 ドル買い戻しへ
米CPIは約31年ぶりの高水準
昨日の米国時間に入り発表された10月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比で+6.2%(予想、+5.8%)と上振れ、1990年以来、約31年ぶりの高水準を記録しました。
コロナ後の経済の回復からの需給ひっ迫、特に供給制約からですが、一昨日発表のPPI(生産者物価指数)が+8.6%だったことを踏まえると、物価上昇が川下のCPIに漂着しつつあるわけです。
米金利は上昇、為替市場では主要通貨に対しドルを買い戻す動きが続きました。
30年債入札の結果は極めて不調
米国時間の午後に入り実施された250億ドルの30年債の入札は、応札倍率で2.202倍にとどまり、前月の2.360倍、6か月平均の2.292倍を下回る極めて不調な結果で終わっています。
債券、特に国債の入札の好不調を測る時に「テール」という尺度があり、要は平均落札価格と最低落札価格の差ですが、差が小さい方が人気、大きいと不人気・不調となります。
昨日のこの30年債入札ですが、テールが歴史上最大を記録と極めて不調に終わり、これはグローバルの機関投資家がインフレ(債券価格の下落)を警戒したためです。
金利は一段の上昇、為替市場ではドルを買う動きが一層強まり、USDJPYで昨日高値114.01、EURUSDでは年初来安値1.1477を示現しています。
31年ぶりのCPIの伸び、史上最低の結果に終わった30年債の入札もありましたが、米10年債金利でみれば1.56%水準と3月下旬の1.77%と対比すれば依然低いといえます。
一方、比較的短い2年や5年の金利は3月下旬より上昇しており、長短期利差は縮小に転じており、やはりかなり先の景気減速をすでに織り込みつつあります。
トレードポイント
昨日の金利の上昇ですが、本日が米国ではベテランズデーの祭日で債券取引が休場、本日の取引がない分、CPIや30年債入札の結果から米国債を売り急いだと考えればよいでしょう。
とりあえず、ポジションはこれ以上は増やさず、基本、以降は減額方針でいきます。
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