BOEまさかの政策金利据え置きの余波

BOE政策金利据え置きの余波
BOE(イングランド銀行)は利上げが100%織り込まれるなか、まさかの金融政策を7対2で据え置き、ベイリー総裁が利上げを完全に織り込ませる情報発信をしながらの据え置きは信頼を失いかねません。
金融市場関係者のツイッター投稿を総合すれば、ここまで批判が集中、“2y gilt more volatile than bitcoin”(英2年国債の変動率がビットコインより高い)と酷評されています。
中銀総裁が利上げに前向きな情報発信をしながら、BOEが政策金利を据え置いた余波は大きく、発表後、英国債(ギルト)には買いが集中、金利は大幅低下となりました。米国時間に入っても英ポンドの整理売りが続きました。

サウジ原油増産の報道
OPECプラスは、昨日開催した閣僚級会合で毎月日量40万バレルずつ増産する計画を維持、一方でサウジの産油量が12月に日量1000万バレルを超えるとの報道がありました。
需給緩和観測から原油先物価格が3%近い反落となるなか、為替市場でもこのところ上げ幅を拡大していたUSDJPYやクロス円が売られています。
整理売りの動きは続くのか?
BOEが政策金利を据え置き、サウジ国営テレビが12月に同国の原油生産量がコロナ後に初めてに日量1000万バレルを超えるとの報道から資産市場ではこれまでの整理売りが出ています。
グローバルで上昇してきた金利は一旦低下、金先物価格なども3日ぶりに大幅反発するなど金利の低下を背景とした動きとなっています。
ではこうした動きが続くかですが、原油先物価格の大幅下落は8月にもあり、その発端は中国の戦略備蓄の放出など短期的な需給緩和の報道でした。
その後は時間の経過で反発しており、今回の動きも一時的な調整との認識でいます。
米国10月の雇用統計
本日は、米国で10月の雇用統計が発表予定、すでに水曜発表済みのADP雇用報告ではNFP(非農業部門雇用者数)の増加幅は+57.1万人と市場予想を上回っています。
8、9月と市場予想を大幅に下回る結果となっていますが、背景は
- 夏場のハリケーンの襲来
- 人事担当者の夏季休暇
- バカンスシーズンの求職者の意識の低下
等からでした。
10月の雇用統計はこうした特殊要因がなくなり、さらに、失業給付の上乗せも9月に失効していることもあり、反動増が期待されています。
市場予想は、
NFP(非農業部門雇用者数)の増加幅、+45.0万人
失業率、4.7%
平均時給の前年比伸び率、+4.9%
このなかで要注意は平均時給の前年比伸び率です。立派な物価指標であり、過熱が示され金利が大幅上昇、株価急落となった過去(2018年2月、1月の雇用統計発表時)があります。
本日の金融市場はこの発表まで大きな動きはないでしょう。
雇用統計の発表をみて判断したいと思います。
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