今週も主要中銀の金融政策発表に注目
11/2 RBA(豪州準備銀)が金融政策を発表予定
政策金利の据え置きが確実視されるなか、先週木曜以降24年4月の償還債の0.1%への誘導(注)を見送り0.8%まで急騰しています。
(注)3年国債までを政策金利と同水準の0.1%に誘導するYCC(イールドカーブコントロール)の政策。主要中銀で現在採用しているのは日銀とRBAのみ。
どういう意図があって上昇を容認したのかは不明ですが、前日木曜にはすでに0.55%まで上昇していたこともあり、金融市場にはかなりサプライズと受け取られています。
RBAは労働市場の過熱が伴わない限り、24年まで利上げの条件は整わないと声明のなかで繰り返してきましたが、住宅価格、エネルギー価格の上昇からそうした前提が揺らいできました。
豪州4大銀行のなかには、早ければ来年22年の利上げを予想する銀行も現れ始め、RBAの声明と市場の見方がここにきて大きくかい離し始めています。
YCCの上限を超えた金利の動きをどう説明するのか。
隣国NZでも不動産がバブル化、昨年末までマイナス金利の採用が検討されていましたが、利上げへと軌道修正しています。
政策金利を変更しないまでもYCCを撤廃するのかが注目となります。
11/2-3の予定でFOMC(連邦公開市場委員会) が開催予定
この会合でのテーパリングの決定、年内開始、来年半ばの終了は織り込み済み。SEP(経済見通し)を示す会合ではありません。
タカ派の会合となりそうですが、サプライズ感なく終了しそうです。
11/4 BOE(イングランド銀行)が金融政策を発表予定
市場予想で現在の0.15%の政策金利の0.25%への利上げが確実視され、CME BoEWatchでは100%織り込まれています。
この図から判断する限り、政策変更後の政策金利は0.25%以上(45%+55%=100%)です。
- 左端にある“Ease”が「緩和」で可能性0%
- “NoChange”が「据え置き」でこれも可能性0%
- 残るは“Hike”が「利上げ」で100%
であることからも、金利の市場はこのBOEの会合で「利上げ」を100%織り込んでいることが分かります。
ただ、先週HSBCが「ベイリー総裁は据え置きに票を投じる」として、この会合では7対2で据え置きを予想するレポートをだしています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-26/R1KVVWT0AFB401
据え置き発表なら一旦ポンドは反落するでしょうか、おそらくそこは買い場となる可能性があります。あくまで今後の見通しや声明次第ですが、仮に利上げしたとしても、100%織り込まれていることもあり、上昇も限定的かなと思います。
今回のBOEの会合は、2、5、8、11の各月に四半期インフレレポートを公表していることもあり、こうした見通しを示す会合で政策変更を発表することは非常に整合性があります。
BOEの利上げをメインシナリオに、据え置きをサブシナリオとしておきます。
あくまで個人的な判断ですが、注目度という点では、豪州>英国>米国となります。
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